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「祇園あきしの」たよりNo.6 2018年7月26日号 女将の祇園日記


8月お盆が近づくとお世話になった方々を思い出します。

20代半ばの頃、縁あって鳴滝の保田與重郎(やすだ よじゅうろう)邸で開かれる和歌の会(歌誌「風日」)に毎月通っていました。保田夫人と重鎮の方々を中心に歌会が始まります。東京からもすてきな奥様が来られ、いつも美味しいケーキを持ってきてくださるのが楽しみでした。

かかる日を いつ思ひきや 鴨川の 流れとともに ひぐらしの声

                       ー 良蘭

保田邸には棟方志功や河井寛次郎などの作品がそこかしこに飾られていて、河井先生のお嬢様も来られていました。なんと私は河井先生の作品でお茶をいただいていたわけです!

いろいろなご縁をいただく幸せのなかで、山口から京都に出てきた私は、水が替わったためか肌が荒れてしまって皮膚科に通ったり、漢方のお世話になったりして次第に健康オタクのようになりました。あらゆる健康本を読み、良いと云われた事は全部して、それが高じて健康食品を作ろうとするのですが、お力添えいただいた方が商品完成の当日に倒れてしまわれた事もありました。

染色の作品展をしながらアルバイトや歌会と、ある意味ふわふわと生きていた私でしたが、これ以降、世間の厳しさを思い知らされる事となりました・・・。

つづく


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