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「祇園あきしの」たよりNo.14 2019年3月26日号 女将の祇園日記


いよいよ桜咲く四月となりますが、花より団子も大いに結構なことです。桜餅には「道明寺」と「長命寺」の2種類があって、味も関東風の「長命寺」、関西風の「道明寺」とお住まいの地域によって違うようです。

京料理をお出ししてお客様から「美味しい」とおほめの言葉をいただくことが多いのですが、何となくお口の動きや雰囲気で、もう一つなんだなと、感じるときがあります。この感じを言葉で説明するのはむずかしく、直感としか言いようがありません。そういう時はさりげなく、どこからお越しになったのか等伺うようにして次のご来店に備えます。

転勤で来られる方、観光を楽しまれる方、お客様それぞれの理由や目的がおありで、京都の祇園あきしのにご縁を結んでいただいております。選んでいただいたことに感謝して、お一人お一人に、真摯に接待させていただくことが大切ということを、他ならぬお客様方に教えられてまいりました。

おっちょこちょいの山口出身の私も、関西弁、特に京都弁のやんわりとした言葉の響きに助けられ、きつい感じにならずにお話させていただけていると思っています。ほんとうに京都弁というのはどなた様にもソフトに対応できるマルチ言語ではないでしょうか。どのお客様にも1200年の歴史の底力で「佳き京都」を伝えていきたいと、心から願う今日この頃です。

つづく


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