水無月・6月は「水の月」
「無」は「の」と意味するらしく料理屋は「出汁」をひく「水」が一番大切と、「祇園あきしの」は開店当初から「水」を基本にここまでやってきました。
和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、「出汁」がたいへん注目されるようになりました。2017年10月ベルギー王国大使館様のご縁によって、ブリュッセルのフレンチレストラン「アラベル・メイルラン」で和食とフレンチの饗宴をさせて頂いた際には、出汁をひくのにどうしても必要な日本の水を運ぶ大変さを痛感しました。
お店を経営してきた私の28年は、川の流れを無我夢中で泳いできたような日々でした。経営者ならだれもが経験されるとおり、時には激流にもまれそうになったり、鏡のように澄んだ水面下で必死に脚をもがいたり、水には一瞬として同じ流れはないわけで、その場面で最善かつ臨機応変な対応の繰り返しだったかとおもいます。
本当に皆々様のお力添えなくしては今日の「祇園あきしの」はないのだと心底思うとともに、何が泳ぎ続けるパワーを与えてくれたのかというと、何ごとも好奇心をもって、もっと知りたい、もっと自分を高めたいと求め続ける情熱が、新たな出会いや発見を生む源になったのだと思います。
私の旅はまだ途中、これからもまだまだこの情熱で心の若さを瑞々しく保ち、新しいことに挑戦して何でもどん欲に吸収していきます。応援のほどよろしくお願いします。
つづく